公開日 2025.12.03 更新日 2026.01.22

退職代行を使うとどうなる?転職への影響・後悔しないポイントを解説

退職代行を使ったあとの悪影響が気になり、利用を躊躇する方も多いのではないでしょうか。
退職代行の利用によって、依頼者が不利になるケースは極めて少ないといえます。
希望どおりの退職を実現するためには、サービスの選び方や利用後の手続きを把握しておくことが大切です。

本記事では、退職代行の利用後に注目し、転職や給与への影響、訴訟リスクについてまとめました。
利用後に後悔しないためのポイントも紹介しますので、退職代行に不安を感じる方は参考にしてください。

退職代行を使うとどうなる?

退職代行を利用したあとの影響に関して、多くの方が気になるポイントを解説します。

  • 転職で不利になるケースは少ない
  • 未払い給与は受け取れる
  • 会社から訴えられる心配は少ない
  • 会社と直接連絡を取る必要はない
  • 失業保険で当面の生活費をまかなえる

詳細を見ていきましょう。

転職で不利になるケースは少ない

退職代行を利用して退職した事実を、転職先に知られるリスクは少ないといえます。
以前はプライバシーに関する社会の認識が甘かったため、前職調査を行う企業も存在していました。

しかし個人情報保護の考え方が浸透した現代に、本人の同意なく個人情報を取得することは、会社側のリスクが大きい行為です。
したがって、退職方法がキャリアに影響を与える可能性は極めて低いと考えられます。

ただし、同業種へ転職する場合は、人事担当者の横のつながりによってネガティブな情報が共有されるリスクを否定できません。
退職代行を利用する際は、会社とのトラブルが起こらないよう、円満退職に導いてくれる代行業者を選ぶことが大切です。

未払い給与は受け取れる

退職代行を利用しても、退職日までの給与や残業代は問題なく受け取れます。
会社には、労働者に対して給与を支払う義務があるためです。
退職方法を理由として、賃金の支払いを拒否することは許されません。

ただし、以下の状況にあてはまる場合は注意が必要です。

  • 会社は認めていないものの、支払われていない残業代がある
  • 退職日までに有給を消化できない可能性がある

このような問題に対して会社と話し合いを行えるのは、労働組合や弁護士が運営するサービスのみです。
未払い賃金について揉めることが予想される場合は、退職代行の依頼先を慎重に選ぶ必要があります。

会社から訴えられる心配は少ない

退職代行を利用しただけで、会社から訴えられることはありません。
会社側の損害賠償が認められるケースは極めて稀であり、訴訟を提起するコストと対価が見合わないためです。

とはいえ、以下のような辞め方をすると訴えられるリスクは高まります。

  • 引継ぎを一切せず、会社に大きな損害を与えた
  • 会社の名誉を毀損した
  • 会社の機密情報を流出させた

退職代行の利用有無に関係なく、不当な辞め方をしないことが大切です。

関連記事:退職代行で訴えられる?判例から損害賠償請求リスクの回避方法を学ぶ

会社と直接連絡を取る必要はない

退職代行サービスの利用後は、会社とのやり取りを代行業者に一任できます。
上司に連絡したり、退職届を持参したりする必要はありません。

代行業者は、会社へ「今後は本人に連絡しないように」と依頼してくれるため、多くの企業はその指示に従います。
ただし、以下のような理由で直接連絡を取ろうとする企業も存在します。

  • 退職が本人の意思なのかを確認したい
  • 退職を阻止すべく説得したい
  • 退職手続きに関して相談事項がある

万が一会社から直接連絡があった場合は、応対しなくても差し支えありません。
あまりに執拗な場合は、代行業者に状況を説明したうえで対応を依頼しましょう。

失業保険で当面の生活費をまかなえる

転職先が決まっていない状態で退職した場合は、失業保険を受け取れます。
自己都合退職の場合は1〜3ヶ月の給付制限期間がありますが、会社都合退職では7日間の待期後すぐに受給可能です。

1日あたりの給付金額は、賃金日額の45%〜80%相当の金額です。
最低でも90日間は支払われるため、生活費を過度に心配することなく転職準備を進められるでしょう。

ただし失業保険を受給すると、雇用保険の加入日数が再計算されます。
再び一定の被保険者期間を積み上げないと、転職後に退職した際の失業給付や、育児休業給付金を受け取れません。

すぐに転職先を決める予定の方は、失業保険を受給せずに被保険者期間を通算することも1つの方法です。

参考:雇用保険の基本手当日額が変更になります~令和7年8月1日から~|厚生労働省

退職代行サービス利用後の流れ

退職代行業者が会社へ退職意思を通知したあとは、おおむね以下の流れで手続きが進みます。

手続き

詳細

退職届の提出

  • 特定記録郵便や簡易書留で郵送する
  • テンプレートを代行業者に提供してもらう

貸与品の返却

  • 会社の指定する方法に従って郵送する
  • 精密機器は丁寧に梱包する

私物の回収

  • 会社に置いている私物の郵送を依頼する
  • 回収リストを作成して代行業者に共有しておく

退職書類の受け取り

  • 離職票や源泉徴収票などの書類が会社から届く
  • 退職後数週間程度で発送される

未払い賃金の精算

  • 未支給の給与や残業代が指定口座に振り込まれる
  • 通常の支給日と同日に支払われることが一般的

貸与品や私物の郵送に関連する準備は、前もって整えておくとよいでしょう。

関連記事:退職代行の流れ6ステップ|何日かかる?依頼できる内容や事前準備も

退職代行を使ったあとに行うべき手続き

退職代行利用後の流れに沿って、退職者が行うべき手続きの詳細を解説します。

  • 退職届の郵送
  • 貸与物の返却
  • 退職書類の受け取り
  • 健康保険の手続き
  • 国民年金の手続き
  • 税金関係の手続き
  • 失業保険の申請

それぞれ見ていきましょう。

退職届の郵送

退職代行業者に指定されたタイミングで、退職届を送付します。
退職者が自分で作成しなければなりませんが、テンプレートやフォーマットを用意してくれる業者もあります。
作成方法に不安がある方は、打ち合わせの段階で業者へ相談しきましょう。

送付した記録が残るように、以下の方法で郵送するのがおすすめです。

  • 特定記録郵便
  • レターパックプラス
  • 簡易書留

会社に「受け取っていない」と主張されるリスクが高まるため、普通郵便は利用しないよう注意しましょう。

貸与物の返却

貸与物の返送対応も、依頼者自身で行う必要があります。
会社へ返却しなければならない備品や書類の具体例は、以下のとおりです。

  • 社員証
  • 名刺
  • 社章
  • 制服
  • 通勤定期券
  • 精密機器(パソコン・社用携帯など)
  • 業務関連のデータ(顧客リスト・提案資料など)

社用パソコンに残っているデータは自己判断で削除せず、会社の指示を仰いで対応しましょう。
郵送してほしい私物が会社に残っている場合は、あわせて代行業者へ伝えておくことが大切です。

関連記事:退職代行を利用して荷物を受け取れる?私物回収や返却物の対応を解説

退職書類の受け取り

退職完了から数週間程度で、会社から以下の書類が届きます。

書類

おもな利用シーン

離職票

失業手当の申請

源泉徴収票

年末調整や確定申告

雇用保険被保険者証

失業手当の申請

基礎年金番号通知書(年金手帳)

国民年金の加入手続き

退職証明書

離職票の代替書類として利用可能

離職票と退職証明書は、退職者が申請しなければ発行されないケースもあります。
いずれも重要な書類のため、抜け漏れがないよう受け取りましょう。

健康保険の手続き

転職先が決まっていない場合は、自分で健康保険の手続きをしなければなりません。
切り替え手続きが遅れると、健康保険の未加入期間が発生します。
未加入の間にかかった医療費は、一時的に全額自己負担となるため注意しましょう。

切り替え先の選択肢は、以下の3パターンです。

方法

手続き詳細

前職の健康保険を任意継続する

退職日翌日から20日以内に手続きする

国民健康保険に加入する

退職日翌日から14日以内に手続きする

家族の扶養に入る

家族の勤務先で手続きしてもらう

国民健康保険料は「前職の健康保険の資格を喪失した日」までさかのぼって請求されます。
そのため手続きが遅延するほど、一度に請求される保険料の金額が増加します。

まとまった支出を避ける意味でも、健康保険の切り替えは速やかに行うことが大切です。

参考:退職後の健康保険について|全国健康保険協会

国民年金の手続き

転職までの期間が空く方や、自営業になる方は、国民年金への切り替えが必要です。
切り替え先の区分は、以下の2種類があります。

区分

該当する方

国民年金第1号被保険者

  • 配偶者がいない
  • 配偶者が厚生年金に加入していない
  • 配偶者の扶養に入らない

国民年金第3号被保険者

厚生年金に加入している配偶者の扶養に入る

第1号被保険者になる場合、退職日翌日から14日以内に市区町村役場で手続きが必要です。
手続きの際は、以下のいずれかを持参しましょう。

  • 基礎年金番号通知書
  • 年金手帳
  • マイナンバー

国民年金加入の届出は「マイナポータル」から電子申請も可能です。
健康保険の手続きと同様、早期に手続きを完了させましょう。

参考:国民年金に加入するための手続き|日本年金機構
参考:個人の方の電子申請(国民年金)|日本年金機構

税金関係の手続き

給与所得者は、勤務先の年末調整によって所得税の納税が完了するため、原則として確定申告の必要がありません。
退職した場合でも同年に再就職すれば、新しい勤務先が前職の給与を含めて年末調整してくれます。

しかし、退職した年に再就職しなかった場合は年末調整を受けられないため、自分で確定申告する必要があります。
納め過ぎた所得税が還付される可能性もあるため、必要書類が揃い次第早めに行いましょう。

なお、住民税の支払い方法は、退職するタイミングによって以下のように異なります。

退職のタイミング

支払い方法

1月~5月に退職した場合

  •  
  • 退職月から5月までに支払うべき住民税が、最後の給与から一括で徴収される
  • 一括徴収できる場合は、個人での納付が不要

6月~12月に退職した場合

  • 退職月の住民税のみ、最後の給与から天引きされる
  • 退職の翌月以降に支払う住民税は、個人での納付が必要

個人で納めるべき住民税の金額は、自治体から送付される納付書で確認できます。
指定された期日までに支払いを完了させましょう。

参考:中途退職で年末調整を受けていないとき|国税庁

失業保険の申請

退職時点で転職先が決まっていない場合は、失業保険を申請しましょう。
手続きの流れは、以下のとおりです。

  • 受給条件に合致していることを確認する
  • ハローワークで手続きを行う

詳細を解説します。

受給条件に合致していることを確認する

失業手当を受給するには、以下の条件をすべて満たす必要があります。

  • 「失業の状態」にある
  • ハローワークで求職申込を行っている
  • 一定期間以上の被保険者期間がある

ただし、必要な被保険者期間は退職理由によって変わります。
下表で、現在の状況にあてはまる区分を確認してください。

離職理由

受給者区分

必要な被保険者期間

離職理由の例

自己都合

一般受給資格者

離職日以前2年間に12ヶ月以上

  • 職場への不満やキャリアアップ
  • 定年退職など

特定理由離職者

離職日以前1年間に6ヶ月以上

  • 病気やケガによる就業困難
  • 家族の事情が急変して離職を余儀なくされたなど

会社都合

特定受給資格者

  • 会社の倒産やリストラ
  • 有期雇用契約の契約更新が期待される状態での雇い止めなど

会社都合にもかかわらず、自己都合退職で処理された場合は、会社と交渉が必要です。
交渉権限を有する退職代行業者に相談してみましょう。

参考:特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要|ハローワークインターネットサービス

ハローワークで手続きを行う

失業手当の受給申請は、ハローワークで行います。
手続きのおおまかな流れは、以下のとおりです。

  1. 必要書類を準備する(離職票・マイナンバーカードなど)
  2. 求職申込書を記入し、職業相談を受ける
  3. 雇用保険説明会へ参加する
  4. 4週間ごとに失業認定を受ける

ハローワークで手続きを行った日から7日間は「待期期間」が設けられます。
待期期間中にアルバイトをしてしまうと待期期間が再設定され、手当の受給が先送りになるため注意しましょう。

参考:雇用保険の具体的な手続き|ハローワークインターネットサービス

退職代行サービスが「恐ろしい」といわれる理由

退職代行を利用することの悪影響は少ないにもかかわらず、なぜサービスを不安視する方が多いのでしょうか。
理由は大きく以下の2つです。

  • 退職に失敗する可能性があるから
  • 違法行為に巻き込まれるリスクがあるから

それぞれ解説します。

退職に失敗する可能性があるから

退職代行サービスを利用したにもかかわらず、手続きが遅延・停滞し、結局は自分で対処せざるを得なくなることがあります。
民間企業には、法的に「退職者の意思を通知する」ことしか認められていないためです。

実際に過去の裁判(東京地方裁判所:令和2年2月3日判決)でも、民間企業による退職代行の中断事例があります。
本件の概要は、以下のとおりです。

  • 退職代行業者(Y)が、会社へ労働者(X)の退職意思を通知した
  • 会社がXとの認識相違を主張したため、交渉が必要だと判断したYは業務を中断した
  • 結局Xは、弁護士に交渉を依頼して会社を退職した
  • Xは、Yに料金の返還及び慰謝料を求めたが、請求は認められなかった

会社から何らかの反論があった場合、民間企業が労働者の権利を主張し、交渉を行うことは不可能です。
そのため、退職手続きが一向に進まず、結果として退職に失敗するおそれがあります。

違法行為に巻き込まれるリスクがあるから

民間企業による退職代行では、法的に認められている業務内容が大きく制限されています。
たとえば、以下のような業務は「非弁行為」として禁じられています。

  1. 民間企業が、労働者の代わりに退職条件を交渉する
  2. 依頼者から金銭を受け取り、業務を提携先の労働組合や弁護士に斡旋する

実際、2025年10月には「2」の疑いで警視庁の強制捜査を受けた代行業者がありました。
依頼者側が罪に問われることはありませんが、違法リスクの高い業者を避ける意識は持たなければなりません。

労働者の権利を最大限に行使するためにも、労働組合や弁護士が運営する退職代行を利用しましょう。

関連記事:退職代行における非弁行為とは?違法業者の特徴や判断基準・判例を解説

退職代行で後悔しないためのポイント

退職代行を利用する際は、以下のポイントを押さえると後悔のない選択をしやすくなります。

  • 退職代行の必要性を改めて考える
  • 状況にマッチしたサービスを選ぶ
  • 運営元の信頼性を見極める

詳細を見ていきましょう。

退職代行の必要性を改めて考える

退職代行サービスは、退職者の精神的な負担を軽減できる手段ですが、すべての方に適しているとは限りません。
以下のような状況にあり、直接退職を通知するのが困難な方は、積極的に退職代行を検討すべきでしょう。

  • 長時間労働や休日出勤が常態化しており、健康を害している
  • ハラスメントによるストレスで、精神的な限界を迎えている
  • 退職を申し出ても受け流される
  • 未払い賃金や有給休暇を請求できないおそれがある

一方、自分で退職を通知でき、円滑に手続きが進みそうな場合において、サービスは必ずしも必要ありません。
数万円の費用をかける意義があるかどうか、慎重に検討することをおすすめします。

状況にマッチしたサービスを選ぶ

退職代行は、運営元によってサービス内容が異なるため、状況に適した依頼先を選ぶことが大切です。
各運営元が合法的に対応できる業務の具体例をまとめました。

業務内容(一例)

民間企業

労働組合

弁護士

退職意思を通知する

会社と話し合い、退職日を調整する

×

有給の取得や未払い賃金の支払いを要求する

×

会社や加害者に損害賠償を請求する

×

×

裁判の代理人を務める

×

×

会社がすべての要求を問題なく受け入れてくれる場合は、大きなトラブルに発展しないかもしれません。
しかし、本来保障されているはずの権利を行使できなければ、結果として損をする可能性があります。

現在の状況を整理したうえで、希望を叶えられそうなサービスを見極めましょう。

運営元の信頼性を見極める

「弁護士」「労働組合」をアピールしているすべてのサービスが、必ずしも安心できるとは限りません。
よく知られている退職代行サービスには、以下の4種類があります。

  1. 弁護士や法律事務所が運営する退職代行
  2. 法適合の労働組合が運営する退職代行
  3. 弁護士や労働組合と提携している、民間企業の退職代行
  4. 労働組合を偽った民間企業の退職代行

とくに「4」のサービスは違法性が高いため、厳重な警戒が必要です。
公式サイトの「運営者情報」や「会社概要」などのページで、運営元の実態を十分に確認しましょう。

関連記事:退職代行における偽装労働組合とは?事件屋の特徴や見破る方法を解説

まとめ:退職後の心配がある方はサポートつき退職代行がおすすめ

退職代行を利用しても、不利な状況に追い込まれる心配は少ないといえます。
現在の状況や希望に合ったサービスを選ぶことで、納得感の高い退職を実現しやすくなるでしょう。

退職代行サービス選びや、利用後の手続きに不安がある方は、合同労働組合運営の退職代行ガーディアンをご検討ください。
退職代行が終わったあとも、無料相談は回数無制限で受け付けています。
退職届の郵送や社会保険の手続きに関して、困り事が生じた際も安心です。

まずはLINE相談で、現在の状況をお聞かせください。
あなたのお悩みに対し、専門のスタッフが迅速かつ丁寧に対応いたします。

この記事の監修者

長谷川 義人

東京労働経済組合
労働組合代表

プロフィール

高校を3ヶ月で中退しフリーターとなる。その後、20歳で定時制高校に通い25歳で定時制大学を卒業。
Tech系ITベンチャー企業にてBtoB営業からキャリアをスタートし、独立して代表として経営まで幅広く経験。
現在は「令和ならではの労働問題解決」に取り組むため、労働組合法人東京労働経済組合の代表に就任。
適法運営を徹底する退職代行サービス「退職代行ガーディアン」を運営し、日本の退職問題の改善と人材の最適配置を支える新たな社会インフラの確立に取り組む。
違法な退職代行が横行する業界の健全化にも力を入れており、労働者が安心して「次の一歩」を踏み出せる社会の実現を目指している。

東京労働経済組合 SNSアカウント

short

退職代行なら労働組合法人のガーディアンをもっと見る

今すぐ購読し、続きを読んで、すべてのアーカイブにアクセスしましょう。

続きを読む