
労働者には退職の自由が保障されているため、退職代行の利用に罪悪感を抱く必要はありません。
とはいえ、業務を途中で放棄することや、後任へ迷惑をかけることに後ろめたさを感じる方もいるでしょう。
後悔のない退職を実現するためには、退職代行の使い方や事前準備のポイントを押さえることが大切です。
本記事では、退職代行への罪悪感を軽減する方法や、今すぐ利用を検討すべきケース、円満退職につながる業者の選び方を解説します。
退職代行に罪悪感を覚える理由は、自分自身の価値観だけでなく、世間一般のイメージにも原因があります。
詳細を見ていきましょう。
引継ぎをせずに突然退職し、ほかのチームメンバーの業務負荷を増やしてしまうと、罪悪感を覚えやすくなります。
「後任者に業務を引き継いでから辞めるのがあたり前」という責任感の強い方は、問題のある辞め方をすると後悔しかねません。
退職代行を利用する場合でも、引継ぎ内容を代行業者に伝えておくことで、チームの負担が軽減されます。
衝動的に退職代行を利用せず、事前に準備を整えておくことが大切です。
以下のような社風の職場に在籍している方は、退職代行を利用することに後ろめたさを感じやすいでしょう。
小〜中規模で古い体質の企業は、退職代行サービスへの認知や理解が進んでいないことも珍しくありません。
一方で、退職代行業者から連絡を受けたことのある大企業の割合は、15.7%にのぼります。
利用者数が増加傾向にある現代において、退職代行の利用が「マナー違反」という価値観は徐々に薄れつつあると考えられます。
法的にも何ら問題はないため、過度に罪悪感を抱く必要はありません。
参考:「退職代行」による退職、大企業の15.7%が経験 利用年代は20代が約6割、50代以上も約1割|東京商工リサーチ
上司や会社に直接退職意思を伝えられないことに対し「逃げている」「甘えなのではないか」と感じる方もいるでしょう。
しかし、退職代行を利用して辞めることが、必ずしも甘えだとは限りません。
たとえば、以下のような状況に置かれている場合、自ら退職を申し出ることは困難です。
退職代行は「バックレ」とは異なり、正式な手続きを踏んだ退職方法です。
心身の健康を守り、今後のキャリアを前向きに考えるうえでは、戦略的に撤退することも1つの選択でしょう。
退職代行は「違法なのではないか」との考え方が根強く存在することも、罪悪感を覚える原因の1つです。
実際に2025年10月には、民間の退職代行業者が弁護士法違反の疑いで家宅捜索を受けました。
世間に否定的なイメージが定着することで、サービスを「使いづらい」と感じる方もいるでしょう。
しかし、退職代行自体に違法性はなく、利用者が罪に問われることもありません。
労働組合や弁護士が運営するサービスを利用すれば、法的保護を受けながらストレスなく退職できます。
関連記事:退職代行は違法なのか?ケース別の判断基準や業界の問題点を解説
退職代行に後ろめたさを感じている方は、以下の行動によって不安を解消できる可能性があります。
それぞれ見ていきましょう。
退職代行を利用するまえに、まずは周囲に相談できる人がいないか探してみましょう。
直属の上司である必要はなく、他部署の上司や同僚、人事部の担当者でも問題ありません。
いきなり退職代行を利用するよりも、一度相談した事実があれば後ろめたさは和らぎます。
有益なアドバイスや、意思通知の手助けが得られれば、退職代行を使わずに退職できる可能性もあるでしょう。
周囲の人を頼っても問題が解決できなければ、退職代行を利用する覚悟が決まりやすくなります。
退職代行の後味の悪さは「お世話になった人への不誠実さ」に起因します。
サービスを利用するまえに、以下に該当する人がいないか改めて思い返しておきましょう。
退職代行を利用する場合でも、親しい人には事前に感謝の気持ちを伝えておくと罪悪感が薄れます。
構築した人脈を大切にすることは、今後のキャリア形成にもよい影響を与えます。
直接的な引継ぎが難しくても、引継ぎ書を作成しておけば退職代行経由で郵送してもらえます。
後任者へ配慮しながら書面を作成することで、罪悪感は薄れるでしょう。
引継ぎ書を分かりやすく仕上げるコツは、以下のとおりです。
参照してほしいデータの格納場所もあわせて記載しておくと、後任者の業務がスムーズに進みます。
関連記事:退職代行を使えば引継ぎしないで辞められる?リスク回避の方法を解説
退職代行に対する罪悪感は、手放して問題ありません。
その理由として、以下の3つがあげられます。
それぞれ解説します。
労働者には、退職の自由が保障されています。
民法では、無期雇用労働者はいつでも退職を通知できると定められており、申し出から2週間後に退職が成立します。
| 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。 |
契約社員やパートタイマーなどの有期雇用労働者も、以下の条件にあてはまる場合は期間満了を待たずに退職可能です。
会社が労働者の退職を阻止することは、法的に認められません。
退職代行の利用は、権利を行使するための賢明な手段だといえます。
参考:民法第628条|e-Gov法令検索
参考:労働基準法附則第137条|e-Gov法令検索
慢性的な人手不足に陥っている小〜中規模企業では、途中で離脱する退職者を問責しがちです。
しかし、労働力が足りていない会社の多くは、以下のような問題を抱えています。
| 人手不足になるおもな要因 | 詳細 |
| 採用数が少ない |
|
| 離職率が高い |
|
| 社員の生産性が低い |
|
つまり、組織の労働力が不足する原因は会社側にあるといえます。
後ろ指をさされたとしても、退職者が罪悪感を覚える必要はありません。
仕事のストレスを限界まで我慢して心身の健康を損なうと、回復に長い時間を要します。
最悪の場合は生命にかかわることもあるため、退職代行の利用は自分を守るための正当な手段と捉えましょう。
会社は、欠員が生じたら新たな人材を採用すれば問題なく業務を遂行できます。
しかし、健康を害してしまうと今後のキャリアや人生設計が崩壊しかねません。
会社は労働者の人生に責任を持ってくれないため、スムーズに退職できる方法を選択しましょう。
以下の状況に置かれている方は、罪悪感を手放して退職代行の利用を検討しましょう。
それぞれ解説します。
まずは、現在の職場が以下の特徴に該当するかどうかを確認しましょう。
複数の条件を満たす場合は、職場を変える手段として退職代行を利用するのも1つの選択肢です。
同じ業界でも、労働環境は会社ごとに大きく異なります。
現状にストレスを感じている方は、職場の「あたり前」を疑うことで新たな道が開けるかもしれません。
上司からハラスメントを受けている場合は、自ら退職を申し出ても取り合ってもらえない可能性があります。
嫌がらせが深刻化するケースもあるため、ためらわず退職代行を利用しましょう。
なお、以下のような嫌がらせを受けている方は、証拠を記録に残る形で収集しておくことをおすすめします。
| パワハラの類型 | 具体例 |
| 身体的な攻撃 |
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| 精神的な攻撃 |
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| 人間関係からの切り離し |
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| 過大な要求 |
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| 過小な要求 |
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| 個の侵害 |
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パワハラが認定されれば、失業保険の受給が優遇され、場合によっては損害賠償を請求できる可能性もあります。
関連記事:パワハラで退職したいときにすべきこと4選!後悔しない事前準備とは
心身に不調をきたしている場合は、早めに休職や退職の選択肢を検討しましょう。
とくに以下のような問題を抱えている方は、退職代行を利用することでスムーズに辞められます。
会社のストレスによる精神疾患で退職する場合、正当な理由があると判断されると「特定理由離職者」として扱われます。
特定理由離職者に該当すると、失業保険の受給要件が緩和されるため、医師の診断書をもらっておきましょう。
参考:特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要|ハローワークインターネットサービス
企業は本来、退職時に未払い賃金をすべて精算しなければなりません。
しかし、労務管理がずさんな会社の場合、労働者から具体的な申し出がなければ適切な手続きがなされないおそれもあります。
以下のような対応が常態化している会社では、退職時に不利な状況に追い込まれる可能性があります。
退職代行を利用すれば、労働者の権利を代理で主張してくれるため、退職時に不利益を被る心配がありません。
合法的に退職条件の交渉を代行してもらうためには、労働組合や弁護士が運営するサービスを選びましょう。
退職代行に対する罪悪感を払拭できない方は、円満退職へと導いてくれるサービスを選びましょう。
会社側が退職に理解を示してくれれば、辞めたあとも前向きに転職先を探せます。
代行業者探しでチェックすべきポイントは、以下のとおりです。
詳細を見ていきましょう。
退職代行サービスの運営組織は「弁護士」「労働組合」「民間企業」の3種類に大別されます。
合法的に提供できる業務内容がそれぞれ異なるため、業者選びの際は運営元をチェックすることが大切です。
退職代行で発生しやすい手続きを例にあげて、3種類の違いを比較してみましょう。
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手続き(一例) |
弁護士 |
労働組合 |
民間企業 |
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労働者の「退職意思」や「希望条件」を会社に伝える |
○ |
○ |
○ |
|
会社指定の退職日を調整してもらうために協議する |
○ |
○ |
× |
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有給休暇の権利を主張し、消化を認めてもらう |
○ |
○ |
× |
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勤怠管理が不適切であることを指摘し、未払い残業代を要求する |
○ |
○ |
× |
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パワハラがあったことを理由に、損害賠償を請求する |
○ |
× |
× |
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裁判に発展した場合に、訴訟の代理人を務める |
○ |
× |
× |
民間企業が会社と退職条件を交渉することは「非弁行為」として禁止されています。
リスクを軽減するためには、労働組合や弁護士が運営するサービスを選ぶことが大切です。
運営組織の違いによって、退職代行サービスの費用相場も異なります。
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運営元 |
費用相場 |
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民間企業 |
1万5,000円〜5万円 |
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労働組合 |
2万5,000円〜3万円 |
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弁護士 |
5万円〜10万円 |
基本料金だけでなく、価格の中に含まれる業務内容も確認しておくことが大切です。
たとえば「連絡回数は○回まで」などの制限があると、状況によって追加料金が発生することもあります。
一律料金を採用している代行業者を選べば、想定外の手続きが必要になった場合でも安心して依頼できます。
「労働組合や弁護士なら安心」という感覚は、退職代行に対する世間のイメージとして浸透しつつあります。
これを逆手に取り、弁護士や労働組合の名前を利用する業者に注意しましょう。
たとえば「労働組合提携」「弁護士提携」を謳うサービスは、すべて民間企業が運営元です。
そのため合法的に提供できる業務は、労働者の意思を伝達することに限定されます。
労働組合や弁護士が関与しているからといって、サービスの幅が広がるわけではありません。
中には、実態が民間企業にもかかわらず、労働組合を偽装する業者も存在します。
違法性の高い業者を避けるために、ホームページの「運営者情報」を確認して実態を見極めましょう。
関連記事:退職代行は弁護士提携だと安全?発生しがちな違法行為やデメリット
関連記事:退職代行における偽装労働組合とは?事件屋の特徴や見破る方法を解説
退職手続きが無事に完了しても、のちに以下のようなトラブルが生じることもあります。
アフターサポートつきの業者を選べば、退職代行の手続き終了後も、継続して困り事を相談できます。
労働組合の退職代行は、組合員期間中のサポートを料金内で受けられる場合が多いため、トータルの支出を抑えやすくなるでしょう。
退職代行の利用に不安を抱えている方からよくある質問は、以下のとおりです。
回答を見ていきましょう。
退職代行が危険視されるおもな理由は、以下のとおりです。
つまり、退職代行が危険かどうかは、業者選びによって左右されます。
法的リスクの高いサービスを選んでしまうと、依頼者が不利益を被りかねません。
退職代行は業務の性質上、弁護士法に抵触しやすいサービスです。
リスクを軽減するために、法的な権限を有する労働組合や弁護士に依頼しましょう。
関連記事:退職代行サービスは弁護士法違反?非弁行為の具体例や法的効力を解説
引継ぎを一切せずに突然退職したり、責任ある業務を途中で放棄したりすると、恨まれる可能性が高まります。
残された従業員の業務負荷が一気に増加するためです。
できる限り穏便に、かつ後悔なく退職するためには、円満退職へと導いてくれる業者を探すことが大切です。
運営歴が長く、実績が豊富な業者には、会社側を納得させるノウハウがあります。
Googleマップの口コミやホームページを入念にチェックし、利用者から高く評価されている運営組織を選びましょう。
退職代行の利用は、労働者の権利を行使する手段の1つです。
引継ぎ書を事前に作成しつつ、お世話になった人へ声をかけておくことで、罪悪感は薄れやすくなるでしょう。
できる限り円満に退職したい方は、退職代行ガーディアンをご検討ください。
25年超の労働組合運営や、累計4万件の退職代行実績をもとに、会社と適切な交渉を行います。
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この記事の監修者
長谷川 義人
東京労働経済組合
労働組合代表
プロフィール
高校を3ヶ月で中退しフリーターとなる。その後、20歳で定時制高校に通い25歳で定時制大学を卒業。
Tech系ITベンチャー企業にてBtoB営業からキャリアをスタートし、独立して代表として経営まで幅広く経験。
現在は「令和ならではの労働問題解決」に取り組むため、労働組合法人東京労働経済組合の代表に就任。
適法運営を徹底する退職代行サービス「退職代行ガーディアン」を運営し、日本の退職問題の改善と人材の最適配置を支える新たな社会インフラの確立に取り組む。
違法な退職代行が横行する業界の健全化にも力を入れており、労働者が安心して「次の一歩」を踏み出せる社会の実現を目指している。