
退職代行を利用すると、会社に置いている荷物を郵送で受け取れます。
自分で上司に依頼したり、取りに行ったりする必要はありません。
漏れなくスムーズに私物を回収するために、事前準備の内容や手配の流れを押さえておきましょう。
本記事では、退職代行で荷物を郵送してもらう手順や、返却物の対応方法、受け取るべき重要書類などを解説します。
トラブルを回避するポイントもまとめていますので、私物の回収に不安を感じている方は参考にしてください。
退職代行を利用する場合、会社に置いている荷物は取りに行かなくても問題ありません。
代行業者を通じて、会社へ「私物を郵送してほしい」旨を伝えられるためです。
退職者の私物を会社が勝手に処分することは、法律上認められていません。
そのため、会社に大切な荷物を残して退職してしまった場合でも、問題なく手元に返ってくることが一般的です。
会社側とのやり取りを代行業者に一任すれば、手続きのストレスを軽減できるでしょう。
退職代行を利用する際は、回収してほしい荷物の情報を代行業者に共有する必要があります。
私物を受け取るまでの具体的な流れは、以下のとおりです。
それぞれ見ていきましょう。
関連記事:退職代行の流れ6ステップ|何日かかる?依頼できる内容や事前準備も
最終出社日までに、できる限り会社の私物を整理整頓しておきましょう。
私物の回収漏れや同僚の荷物混入が判明すると、再度やり取りが必要になります。
デスクやロッカーに私物が散在している場合は、段ボールなどに入れて1つにまとめておくと安心です。
個人情報に関連するものや、他人に触られたくない荷物はあらかじめ持ち帰ることをおすすめします。
退職代行サービスを選ぶ際は、最初に無料相談で「荷物の郵送をお願いしたい」旨を伝えておきましょう。
中には、荷物の郵送に対応していない業者や、追加料金が発生する業者も存在するためです。
退職代行サービスの運営組織は以下の3つに分類され、合法的に対応できる業務内容がそれぞれ異なります。
対応可能な業務 | 民間企業 | 労働組合 | 弁護士 |
伝言(退職意思・荷物の郵送依頼など) | ○ | ○ | ○ |
退職条件の交渉 | × | ○ | ○ |
未払い賃金の支払い要求 | × | ○ | ○ |
損害賠償請求・訴訟代理 | × | × | ○ |
退職手続きにおいて何らかの交渉が必要な場合、民間企業による退職代行サービスは対応できません。
希望どおりの退職を実現したい方は、労働組合や弁護士が運営する退職代行を選びましょう。
代行業者と契約を結んだのち、打ち合わせの際に回収してほしい私物のリストを共有します。
回収漏れを防ぐためにも、以下のように細かく一覧化するのがおすすめです。
保管場所 | 物品 | 対応方法 |
ロッカー | ビジネスシューズ(黒・27cm) | 郵送で回収 |
マグカップ(青)・歯ブラシ | 処分 | |
デスク | ハンディ扇風機(黒) | 郵送で回収 |
加湿器(白) | 郵送で回収 | |
| ペンケース(黒革) | 郵送で回収 |
保管場所が分かりにくい場合は、見取り図や写真も添付すると、よりスムーズに荷物を回収できます。
代行業者は、退職手続きを進めるとともに荷物の郵送を会社に依頼します。
自宅以外で荷物を受け取りたいときは、事前に代行業者へ住所を伝えておきましょう。
実家や知人宅のほか、店舗や配送営業所での受け取りも可能です。
なお、発送完了までの日数は、会社の繁閑や手続きの進行状況などによって変動します。
1ヶ月程度を要することもあるため、すぐに使用する予定がある荷物は事前に持ち帰っておくのがおすすめです。
荷物を受け取ったらすぐにリストと突合し、不足や破損がないことを確認します。
荷物に不具合がある場合は、迅速に以下の対応を取りましょう。
過不足がある場合 | 破損している場合 |
|
|
多くの場合、私物の郵送は着払いです。
荷物の配送日が判明したら、送料を手元に用意しておきましょう。
以下の備品や書類は、退職時に会社への返還が必要です。
身分証関連 |
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貸与品 |
|
業務関連 |
|
返却物は自分で郵送しますが、退職代行業者の部分的なサポートを受けられることもあります。
荷物を返却する際のポイントは、以下のとおりです。
それぞれ見ていきましょう。
まずは、会社が指定する返却方法を確認します。
とくに以下の項目は、あらかじめ代行業者にヒアリングしてもらいましょう。
端末のデータを勝手に変更・削除すると、トラブルに発展するおそれがあります。
自己判断せず、まずは就業規則や退職時の誓約書を確認しましょう。
パソコンやスマホなどの精密機器は、電源を切り、緩衝材を入れて丁寧に梱包しましょう。
あわせて基本的な動作確認も済ませておくと、トラブルの防止につながります。
そのほか、荷物を発送する際のポイントは以下のとおりです。
会社から荷物が「届かない」「足りない」「故障している」といわれた場合に備え、適切に郵送した証拠を残すことが大切です。
なお、貸与品の紛失に気づいた場合は、隠さずに代行業者へ伝えましょう。
退職時は、会社から以下の書類を受け取る必要があります。
必要になるシーンや申請方法を解説します。
失業手当を受給する際に必要な書類です。
すでに転職先が決まっており、失業手当を受け取らない方は、必要性が薄いかもしれません。
しかし、新たな職場で提出を求められるケースもあるため、退職のタイミングで受け取っておくと安心です。
離職票は、退職日から10日〜14日程度で交付されることが一般的です。
期限を過ぎても交付されない場合は、ハローワークに申し出ると会社に催促してくれます。
当年の給与や所得税が記載されています。
転職の有無にかかわらず、すべての方にとって必要な書類です。
同年に転職する場合 | 転職先に提出 |
同年に転職しない場合 | 確定申告で利用 |
離職した年に再就職する場合は、転職先の年末調整によって所得税が精算されます。
一方、当年中に転職しない場合は自分で確定申告を行い、翌年2月16日〜3月15日の間に税金を納めなければなりません。
いずれにせよ、会社から受け取った源泉徴収票は紛失しないよう保管しましょう。
雇用保険に加入していることを証明する書類です。
各被保険者に割り振られている「被保険者番号」は、転職先にもそのまま引き継がれます。
雇用保険被保険者証を利用するおもな場面は、以下のとおりです。
転職時 | 転職先が雇用保険の加入手続きを行う際に提出を求められる |
失業手当の申請 | 離職票とともにハローワークへ提出する |
年金の手続き | 年金請求書に添付して提出する |
会社が保管していた場合は、退職時に返却されます。
返却方法は、直接手渡しされるか、源泉徴収票や離職票などの書類とともに郵送されることが一般的です。
厚生年金や共済年金へ加入する際に必要な書類です。
入社時に会社へ提出している場合は、退職時に年金手帳または基礎年金番号通知書が返却されます。
転職先が決まっていない方は、市区町村役場の窓口で国民年金の加入手続きを行う必要があります。
手続き時は年金手帳・基礎年金番号通知書・マイナンバーのいずれかが求められるため、返却されたものは大切に保管しましょう。
なお、年金手帳は2022年に新規発行が停止されました。
転職先には、年金手帳の代わりにマイナンバーか「基礎年金番号」のみを提出することが一般的です。
参考:基礎年金番号・基礎年金番号通知書・年金手帳について|日本年金機構
退職の事実を会社が証明する書類です。
退職証明書は、転職先に提出を求められることがあるほか、離職票の代替書類として利用できます。
会社が自発的に発行する書類ではないため、必要な場合は退職時に申請しましょう。
退職証明書の一般的な記載事項は、以下のとおりです。
なお、退職証明書には、労働者が希望した内容以外は記載されません。
発行を求めると、労務担当者から「なにを記載してほしいか」をヒアリングされるため、代行業者へ希望内容を伝えておきましょう。
会社に置いている荷物をスムーズに受け取れないケースもあります。
よくあるトラブル事例を把握し、先手を打っておきましょう。
それぞれ解説します。
荷物の郵送を依頼したにもかかわらず、1ヶ月以上届かない、もしくは一部しか届かない場合は、早めに代行業者へ相談しましょう。
放置する期間が長くなるほど、紛失やトラブルが起こりやすくなるためです。
会社が不適切な対応を取ることが予想される場合は、労働組合や弁護士が運営する退職代行をおすすめします。
法令上の交渉権限を持つ業者が対応すれば、会社側は誠実に対応せざるを得ません。
民間企業による退職代行には、トラブルが生じた際の協議・交渉を依頼できないため注意しましょう。
会社に届け出ている住所が現住所と異なると、誤配送によって荷物を受け取れない可能性があります。
引っ越し先の住所を会社に伝えていない場合は、事前に代行業者へ正しい住所を伝えましょう。
人事担当が入れ替わることも見越し、住所・受取人名・連絡先を書面に明記しておくと安心です。
また、発送時に追跡番号を知らせてもらうよう依頼すると、トラブルを未然に防ぎやすくなります。
家族と同居している場合、会社から荷物が届くことによって退職に気づかれてしまうおそれがあります。
家族に内緒で退職を進めたい方は、事前に以下の手配を済ませておきましょう。
会社に依頼したい事項が多いときは、抜け漏れがないように文書でまとめて代行業者に共有するのがおすすめです。
会社から届く荷物の送料は、原則として退職者が負担します。
手に持てるサイズの段ボール1つあたり、1,000円〜2,000円程度かかることが一般的です。
かさばる私物が多いと段ボールの数が増え、予想以上の出費になるケースも少なくありません。
持ち帰りきれなかった荷物が多い方は、あらかじめ費用を見積もっておきましょう。
なお、返却物を会社へ郵送する際の送料も、退職者負担になる可能性があります。
着払い(会社負担)の指定がない場合は自己判断せず、事前にどちらが負担すべきか明確化することが大切です。
退職手続きを円滑に進め、荷物を無事に受け取るためには、信頼できる退職代行サービスを見極めることが大切です。
代行業者を比較する際のポイントを紹介します。
詳細を見ていきましょう。
運営元組織の違いによって、退職代行サービスの業務範囲は異なります。
求めているサポートを受けられるかどうか、十分に確認してから依頼先を選ぶことが大切です。
業務内容(一例) | 民間企業 | 労働組合 | 弁護士 |
退職意思を伝える | ○ | ○ | ○ |
荷物の郵送をお願いする | ○ | ○ | ○ |
会社と話し合い、退職日を調整する | × | ○ | ○ |
有給消化を認めてもらえるよう説得する | × | ○ | ○ |
未払い賃金の支払いを渋る会社に対し、権利を主張する | × | ○ | ○ |
ハラスメントに対して損害賠償を請求する | × | × | ○ |
裁判に発展した際に退職者の代理人を務める | × | × | ○ |
法律上、民間企業は退職者の「伝言役」しか務められません。
業務内容と費用のバランスを考慮し、トラブルなく退職できる選択肢を見極めましょう。
退職代行サービスの費用相場は、運営元によって異なります。
運営元 | 費用相場 |
民間企業 | 1万5,000円〜5万円 |
労働組合 | 2万5,000円〜3万円 |
弁護士 | 5万円〜10万円 |
相場に幅がある理由の1つとして、料金に含まれているサービス内容の違いがあげられます。
基本料金が安いサービスでは、労働者の雇用形態や連絡回数、取次内容などによって追加料金がかかるケースも少なくありません。
「どこまで対応してくれるのか」を明確にしておかないと、想定外の出費で予算を超過するおそれがあります。
一律料金を採用している代行業者を選べば、最後まで安心できるでしょう。
退職代行業界には、残念ながら違法性の高いサービスを提供している業者が存在します。
弁護士法に抵触する業務を担っていたり、不法な斡旋を行っていたりするケースが典型的です。
法的リスクの高い業者を見抜くために、まずはホームページで運営者情報をチェックしましょう。
たとえ労働組合や弁護士と提携していても、運営者が「○○会社」であれば、合法的に提供できる業務は通常の民間企業と同様です。
「労働組合や弁護士が関与しているなら安心」と判断せず、業者の実態を見極めたうえで依頼を検討しましょう。
関連記事:退職代行は弁護士提携だと安全?発生しがちな違法行為やデメリット
よく寄せられる質問の中で、荷物の回収に関する内容をまとめました。
回答を見ていきましょう。
私物の所有権は退職者にあるため、会社が返却しなかったり、勝手に処分したりすることは認められません。
そのため、会社側が意図的に郵送を拒否することは少ないでしょう。
ただし、繁忙期で郵送対応が後回しになることや、担当者が手続きを忘れることはあり得ます。
依頼してから1ヶ月以上届かない場合は、代行業者を通じて催促してもらうことも有効です。
交渉権限のあるサービスを選べば、仮に「直接取りに来てほしい」といわれた場合でも会社との話し合いを依頼できます。
大部分の退職代行サービスは、置きっぱなしの荷物を郵送するよう会社に伝えてくれます。
ただし、荷物が散在していると、送り忘れや伝達ミスが生じやすくなります。
スムーズに荷物を引き取りたい場合は、私物リストを作成して代行業者に共有しておきましょう。
なお、置きっぱなしの荷物が多いほど、受け取り時の送料がかさみます。
今後出社する予定のある方は、できる限り計画的に持ち帰っておくのがおすすめです。
退職代行を利用する場合でも、荷物の郵送手配や添え状の作成は自分で行う必要があります。
以下の項目を、1枚にまとめてシンプルに作成しましょう。
段ボールに同梱する場合は封筒に入れず、荷物の一番上に置いて開封時に見えるよう工夫することが大切です。
退職代行業者の料金体系によっては、追加費用が発生する可能性もあります。
依頼前の無料相談で、以下を確認しておくと安心です。
曖昧な回答しか得られない場合や、不明点が解消できない場合は、ほかの代行業者を検討しましょう。
退職代行を利用すると、会社に置いている荷物の郵送を依頼できます。
直接取りに行ったり、上司や同僚と顔を合わせたりする必要はありません。
会社から貸与されている物品も郵送で返却できるため、整理整頓や梱包を進めておきましょう。
退職手続きに不安を抱えている方は、退職代行ガーディアンをご検討ください。
25年を超える労働組合運営で培ったノウハウをもとに、労働者の安心・安全を最優先に考えた退職を実現しています。
組合費1万9,800円以外の料金は一切かかりません。
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この記事の監修者
長谷川 義人
東京労働経済組合
労働組合代表
プロフィール
高校を3ヶ月で中退しフリーターとなる。その後、20歳で定時制高校に通い25歳で定時制大学を卒業。
Tech系ITベンチャー企業にてBtoB営業からキャリアをスタートし、独立して代表として経営まで幅広く経験。
現在は「令和ならではの労働問題解決」に取り組むため、労働組合法人東京労働経済組合の代表に就任。
適法運営を徹底する退職代行サービス「退職代行ガーディアン」を運営し、日本の退職問題の改善と人材の最適配置を支える新たな社会インフラの確立に取り組む。
違法な退職代行が横行する業界の健全化にも力を入れており、労働者が安心して「次の一歩」を踏み出せる社会の実現を目指している。