公開日 2026.09.04 更新日 2026.09.04

退職を電話で伝えるのはOK?失礼にならない例文とマナーを完全解説

退職を決めても、「電話で伝えて問題ないのか」「どのように話せばよいのか」と悩む方は少なくありません。
そこで、円満に退職するには、就業規則や連絡する時期、伝え方を事前に確認しておくことが大切です。

なお、体調不良やハラスメントなどで対面が難しい場合は、無理に出社する必要はありません。
本記事では、電話で退職を伝える際のマナーや例文、連絡後の手続き、退職代行を利用する場合のポイントまで詳しく解説します。

目次

退職を電話で伝えるのはあり?法的観点とマナーの視点

退職の意思は電話でも伝えられますが、雇用契約や就業規則によって必要な手続きは異なります。
また、円満に退職するには、会社との関係や引き継ぎを考慮した伝え方も重要です。

ここでは、電話で退職を伝える場合の法的な扱いやマナー、電話連絡が認められやすいケースを解説します。

法律上は電話での退職連絡も有効

期間の定めがない雇用契約では、退職の意思表示について、書面や対面など特定の方法が法律上定められているわけではありません。
そのため、電話でも退職の意思が会社へ明確に伝われば、意思表示として認められます。

ただし、退職できる時期は契約内容によって異なり、期間の定めがない場合は原則として申し出から2週間後に退職できます。
有期契約では原則として契約途中の退職はできませんが、やむを得ない事情がある場合は可能です。

また、就業規則で退職届の提出方法が定められている場合は、その手続きについて確認してください。

ビジネスマナー的には対面が基本

退職の連絡先は、法律で必ず直属の上司と定められているわけではありません。
そのため、出社できる場合は、就業規則や社内手続きを確認したうえで、通常は直属の上司へ相談します。
また、対面であれば、退職の意思や希望日を直接伝え、今後の対応についてもその場で確認できます。

一方、体調不良やハラスメントなどで上司への連絡が難しい場合は、人事や上位者、相談窓口へ連絡してください。

電話で退職を伝えても許される状況とは

退職の意思は対面で伝えるのが基本ですが、出社が難しい場合は電話でも問題ありません。
大切なのは、連絡方法よりも退職の意思を明確に伝え、必要な手続きを進めることです。

ここでは、電話で退職を伝えても許される主な状況と、連絡する際のポイントを解説します。

体調不良やメンタル不調で出社が困難な場合

体調不良やメンタル不調によって出社が難しい場合は、電話で退職の意思を伝えても問題ありません。
その際は、体調のため出社が難しいことと、退職を希望していることを簡潔に伝えてください。
ただし、診断名や症状の詳細まで説明する必要はありません。

あわせて、退職日や退職届、貸与品の返却など、必要な手続きについて確認しましょう。
もし通話自体も負担になる場合は、メールや書面、家族を介した連絡が可能か会社に確認してください。

パワハラ・セクハラで職場に行けない場合

パワハラやセクハラが原因で出社できず、対面で退職の意思を伝えることが難しい場合は、電話で伝えても問題ありません。
電話では、出社が難しい事情を簡潔に説明したうえで、退職の意思を明確に伝えてください。

また、上司本人が加害者である場合は、本人ではなく、その上位者や人事、相談窓口へ連絡しましょう。
社内の相談先へ連絡しても解決が難しい場合や対応してもらえない場合は、労働局や弁護士など外部の窓口へ相談してください。

上司が遠方勤務や在宅勤務で会えない場合

直属の上司が遠方勤務や在宅勤務で直接会うことが難しい場合は、電話で退職の意思を伝えても問題ありません。
電話をかける際は、落ち着いて話せるよう事前にスケジュールを調整しましょう。

また、オンライン面談が可能な場合は、電話ではなくオンライン会議で退職について伝えても問題ありません。
いずれの場合も、退職の意思と希望日を伝え、退職届の提出方法や引き継ぎの進め方を確認してください。

電話で退職を伝えるベストなタイミング

退職を電話で伝える場合は、連絡する時期と時間帯を事前に確認しておくことが大切です。
また、退職希望日までの期間だけでなく、就業規則や引き継ぎの予定も踏まえて連絡する必要があります。

ここでは、退職を申し出る時期の目安や民法上の考え方、電話を避けたい時間帯を解説します。

退職希望日の1〜2ヶ月前はあくまで目安

退職希望日の1〜2ヶ月前という時期は、余裕を持って準備するための目安であり、法律で一律に定められた期間ではありません。
厚生労働省は、就業規則に「退職予定日の1か月前までに申し出る」と定める会社も多いと案内しています。

そのため、まず就業規則を確認し、引き継ぎや後任選定にかかる時間も踏まえて申し出る時期を決めましょう。
一方、体調悪化やハラスメントなど緊急性が高い場合は、この目安に合わせる必要はありません。

期間の定めがない雇用契約は原則2週間前までに連絡

契約期間の定めがない雇用契約では、民法627条により、原則として退職を申し出た日から2週間後に退職できます。
そのため、法律上は退職希望日の2週間前までに意思を伝えることが目安です。

ただし、会社の就業規則で退職を申し出る時期が定められている場合もあります。
円満に退職するためにも、就業規則を確認し、余裕を持って伝えましょう。

繁忙期や早朝・深夜は避ける

退職の電話は、上司が落ち着いて話を聞ける時間帯を選ぶことが大切です。
職場によって忙しい時間帯は異なるため、始業直後や会議前、昼休み、終業間際などに連絡する場合は、相手の業務状況を確認しましょう。

また、早朝や深夜など勤務時間外の電話は、上司の負担になるため控えてください。
電話する時間に迷う場合は、先に退職について相談したい旨を伝え、話せる時間を確認してから改めて連絡しましょう。

電話で退職をスムーズに伝えるコツ

電話で退職を伝える場合は、事前に話す内容を整理しておくことが大切です。
そのため、退職理由や希望日をまとめ、就業規則や社内手続きを確認したうえで、直属の上司へ明確に伝えましょう。

ここでは、電話前の準備や引き止めへの対応、通話後に確認するポイントを解説します。

退職理由と希望退職日を事前に整理する

電話をかける前に、退職の意思や希望退職日、理由の伝え方を整理しておきましょう。
まず、退職理由は詳しく説明する必要はなく、「一身上の都合」「体調上の理由」など、伝えられる範囲で簡潔に伝えてください。
また、最終出勤日や有給休暇、引き継ぎなど、確認したい項目もメモしておくと安心です。

さらに、電話で話す内容を「退職の意思→希望日→理由→今後の手続き」の順にまとめておくと、要点を伝えやすくなります。

感情的にならず冷静なトーンを保つ

電話では相手の表情が見えないため、声の強さや話す速さによって意図と異なる印象を与えることがあります。
そのため、声の大きさや話す速さを意識し、落ち着いた口調で伝えましょう。

また、相手の話を途中で遮らず、質問には必要な範囲で簡潔に答えてください。
上司から強く引き止められたり理由を詳しく尋ねられたりしても、答えたくない内容まで説明する必要はありません。

感情的なやり取りは避け、退職の意思や必要事項を明確に伝えましょう。

用件は短く簡潔にまとめる

退職を伝える際は、最初に結論を伝え、その後に必要な情報を補うと内容が伝わりやすくなります。
まず、退職したいことを明確に伝えたうえで、希望退職日や確認したいことを伝えましょう。

また、退職理由を長く説明すると話がそれやすいため、必要な内容に絞って伝えてください。
最後に、退職届の提出方法や引き継ぎ、貸与品の返却など、今後必要な対応を確認します。

引き止めには毅然と意思を伝える

上司から引き止められても、退職の意思が固まっている場合は、曖昧にせずはっきり伝えることが大切です。
「ご配慮いただきありがとうございます。ただ、退職の意思は変わりません」のように、相手に配慮しつつ、退職の意思を明確に伝えましょう。

また、引き止めの際に給与や配置転換などを提案されることがありますが、その場で決める必要はありません。
一方、強い引き止めや威圧的な対応を受けた場合は、冷静な話し合いが難しくなるため、1人で対応せず、人事や労働局、弁護士などへ相談してください。

これまでお世話になった感謝を添える

退職の意思を伝える際は、これまでの指導やサポートへの感謝を1言添えると、相手への配慮が伝わります。
例えば、「これまでご指導いただき、ありがとうございました」など、簡潔な言葉で十分です。

一方、職場への不満がある場合は、無理に感謝の言葉を並べる必要はありません。
また、突然電話で退職を伝える場合は、「お電話でのご連絡となり申し訳ありません」と一言添えると、丁寧な印象になります。

感謝やお詫びを伝えたうえで、退職の意思は曖昧にせず明確に伝えましょう。

通話内容をメモしておくと安心

退職について話した後は、日時や相手の名前、退職希望日、会社から案内された内容などをメモしておきましょう。
記録があれば、退職届の提出日や貸与品の返却方法など、必要な手続きを確認する際に役立ちます。
特に、退職日や有給休暇、引き継ぎについて具体的に決まったことは、忘れないよう記録してください。

また、退職日や手続きなど重要な内容はメールでも残しておくと、後から認識の食い違いが生じた際の確認材料になります。

シーン別・電話で退職を伝える例文集

退職を伝える際は、緊張しても要点を伝えられるよう、事前に言い回しを考えておきましょう。
あわせて、例文を参考にすれば、自分の状況に合った表現で説明できます。

ここでは、一身上の都合や体調不良、ハラスメント、引っ越し、転職など、状況別の例文を紹介します。

一身上の都合で退職する場合の例文

一身上の都合で退職する場合は、詳しい事情まで説明せず、退職の意思と希望日を簡潔に伝えます。
例えば、「お忙しいところ失礼いたします。退職についてご相談があり、お電話しました。一身上の都合により、〇月〇日付で退職を希望しております。お電話でのご連絡となり申し訳ありません」と伝えましょう。

その後、「必要な手続きや引き継ぎについてご相談させてください」と続け、退職までの流れを確認してください。
また、最後にこれまでの指導やサポートへの感謝を添えると、丁寧に締めくくれます。

体調不良を理由に退職する場合の例文

体調不良が理由の場合は、現在の状態と勤務を続けることが難しい旨を、無理のない範囲で伝えましょう。
例えば、「体調不良が続いており、現在は出社が難しい状況です。今後も勤務を続けることが難しいため、退職を希望しています。電話でのご連絡となり申し訳ありません」と伝えます。

また、医師から療養を勧められている場合は、その旨を伝えても構いません。
ただし、診断名や症状の詳細まで説明する必要はありません。

最後に、退職日や書類の提出方法など、必要な手続きを確認しましょう。

ハラスメントが原因で退職する場合の例文

ハラスメントが原因で退職する場合は、詳しい経緯よりも退職の意思を明確に伝えることが大切です。
例えば、「職場環境による負担が大きく、勤務を続けることが難しいため、退職を希望しています。現在は出社して面談することも難しい状況です」と伝えます。

また、上司本人が加害者である場合は、本人ではなく人事や上位者へ連絡しましょう。
さらに、被害内容を会社へ正式に伝える場合は、日時や出来事を整理し、メールや書面で記録を残しておくと、後から経緯を確認する際に役立ちます。

退職を電話で伝えた後に必要な手続き

退職の意思を伝えた後は、会社の指示に応じた退職届の提出や引き継ぎ、貸与品の返却などを進めます。
また、退職日や必要書類について会社と確認し、手続きに漏れがないようにしましょう。

ここでは、退職届を求められた場合の対応から引き継ぎ、貸与品の返却まで、退職前後に必要な手続きを解説します。

必要に応じて退職届を提出する

退職届の提出が必要かどうかは、会社の就業規則や指示によって異なります。
提出を求められた場合は、指定の様式や提出方法を確認しましょう。

また、郵送する場合も、レターパックや簡易書留などの利用が法律上必須ではありません。
到着記録を残したい場合は、追跡できる方法を選んでください。

なお、退職日や提出日、氏名などの記載内容、押印の要否や宛名についても会社の指示に従いましょう。

業務の引き継ぎ資料をまとめて共有する

退職日まで勤務できる場合は、担当業務の進捗や手順、取引先との対応状況などを整理して共有しましょう。
例えば、進行中の案件や締切、関係者、データの保存先などをまとめておくと、後任者が確認しやすくなります。

一方、出社が難しい場合は、会社の許可を得たうえで、メールや社内クラウドを使って共有してください。
ただし、顧客情報や社内資料は私物端末へ移さず、会社が指定する方法で引き継ぎを進めましょう。

有給休暇の残日数を確認して消化する

退職前に有給休暇の取得を希望する場合は、残日数を確認し、取得したい日を会社へ伝えましょう。
有給休暇をまとめて取得する場合は、最終出勤日がいつになるのかも確認してください。

また、会社によって申請方法や手続きが異なるため、就業規則や勤怠管理システムの確認が必要です。
不明な点がある場合は、人事や担当者へ確認しましょう。

制服・社員証・PCなど貸与品を返却する

制服や社員証、パソコン、携帯電話、鍵などの貸与品は、退職時に返却します。
まず、返却対象と方法を会社に確認し、出社できる場合は指定された担当者へ渡しましょう。

一方、出社が難しい場合は、郵送で返却できるか確認してください。
郵送する場合は、送付先や梱包方法に加え、送料を誰が負担するのかも確認しておきましょう。

なお、パソコンやスマートフォンは自己判断で初期化せず、会社の指示に従って返却してください。

電話でもつらい場合は退職代行サービスという選択肢

自分で会社へ連絡することが難しい場合は、退職代行サービスに依頼するのも1つの方法です。
ただし、運営元によって対応できる範囲が異なるため、サービス内容を確認して選びましょう。

ここでは、退職代行サービスの特徴や会社との連絡方法、即日退職、法的トラブルへの対応について解説します。

会社との直接連絡を減らせる

退職代行を利用すると、本人に代わって退職の意思を会社へ伝えてもらえるため、会社と直接話す機会を減らせます。
ただし、退職届の提出や貸与品の返却、書類の確認などは、本人の対応が必要になる場合もあります。

また、有給休暇の取得や未払い賃金、退職日の調整など、会社との交渉に対応できる範囲は運営主体によって異なるため、事前の確認が必要です。
会社との直接連絡を避けたい場合は、どこまで対応してもらえるのか契約前に確認してください。

退職代行には即日で会社へ連絡するサービスもある

退職代行には、依頼した当日に会社へ退職の意思を伝えるサービスもあります。
ただし、当日に会社へ連絡してもらえても、その日のうちに退職できるとは限りません。

期間の定めがない雇用契約では、原則として退職の申し入れから2週間後に労働契約が終了します。
会社との合意などによって退職日が早まる場合もあるため、即日対応を希望する場合は、連絡日と実際の退職日が異なる可能性も確認しておきましょう。

法的な交渉が必要なら弁護士が対応するか確認する

「弁護士監修」と表示されていても、監修した弁護士が依頼者の代理人として会社と交渉するとは限りません。
未払い賃金や損害賠償など法的な交渉が必要な場合は、実際に弁護士が個別案件を受任して対応するサービスか確認しましょう。

弁護士へ正式に依頼した場合は、受任した範囲で会社への請求や交渉について相談できます。
すでに会社とのトラブルがある場合は、「弁護士監修」という表示だけで判断せず、誰が交渉を担当するのかまで確認してください。

まとめ:退職を電話で伝える際のマナーと例文を押さえよう

退職の意思は電話でも伝えられますが、出社できる状況では、就業規則や社内手続きを確認し、通常は直属の上司へ対面で伝えます。
一方、体調不良やハラスメント、遠方勤務などで直接会うことが難しい場合は、電話やオンライン会議で伝えても問題ありません。
その際は、退職の意思や希望日を明確にし、必要な手続きも確認しましょう。

また、退職届の提出を求められた場合の対応や引き継ぎ、貸与品の返却なども会社の指示に沿って進めることが大切です。
なお、自分で会社へ連絡することが難しい場合は、対応範囲を確認したうえで退職代行サービスを利用するのも1つの方法です。

退職代行ガーディアンは、東京都労働委員会の資格審査を受けた東京労働経済組合が運営する退職代行サービスです。
電話で退職を伝えるのが難しい方に代わり、会社への退職意思の連絡や、退職日の調整、有給休暇などの交渉に対応しています。

また、退職手続きや会社とのやり取りに不安がある場合は、状況に応じた対応について相談できます。

会社へ退職を伝えることに悩んでいる方は、まずは無料相談をご利用ください。

この記事の監修者

長谷川 義人

東京労働経済組合
労働組合代表

プロフィール

高校を3ヶ月で中退しフリーターとなる。その後、20歳で定時制高校に通い25歳で定時制大学を卒業。
Tech系ITベンチャー企業にてBtoB営業からキャリアをスタートし、独立して代表として経営まで幅広く経験。
現在は「令和ならではの労働問題解決」に取り組むため、労働組合法人東京労働経済組合の代表に就任。
適法運営を徹底する退職代行サービス「退職代行ガーディアン」を運営し、日本の退職問題の改善と人材の最適配置を支える新たな社会インフラの確立に取り組む。
違法な退職代行が横行する業界の健全化にも力を入れており、労働者が安心して「次の一歩」を踏み出せる社会の実現を目指している。

東京労働経済組合 SNSアカウント

カテゴリー

書籍情報

退職代行を使われる側の教科書 表紙
タイトル
退職代行を使われる側の教科書
著者
長谷川 義人

「退職代行」は、なぜこれほど必要とされるようになったのでしょうか。
転職が一般化し、働く人の価値観が大きく変化する一方、企業には今なお「退職は自分で伝えるべき」「会社が認めるまで辞められない」といった従来の価値観が残っています。その認識のギャップが、退職代行を必要とする背景の一つとなっています。
本書では、東京労働経済組合の執行委員長として数多くの退職案件に携わってきた著者が、退職代行の実態を現場の視点から解説。民間業者・労働組合・弁護士の違いをはじめ、退職日、有給休暇、未払い賃金などをめぐる「交渉」の考え方、企業が退職代行から連絡を受けた際の具体的な対応まで紹介します。
退職代行は、単なる「会社から逃げるためのサービス」ではなく、企業と従業員の関係や職場環境の課題を映し出す存在でもあります。
目指すべきは「辞めさせない会社」ではなく、社員が安心して働き、必要なときには安心して辞められる会社。本書は、退職代行という現象を入り口に、企業と労働者のより健全な関係と、これからの日本の働き方を考える一冊です。

販売サイト:Amazon.co.jp: 退職代行を使われる側の教科書 : 長谷川義人: Japanese Books

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